最後の仕上げのお話

突然ですが、「火入れ」という言葉を聞いたことがありますか?
例えば、「窯に火を入れる」とか、「野焼き」などを儀式的に行うときに
「火入れ」という言葉を使いますが、今回のお話の「火入れ」は
緑茶の最終仕上げの段階でおこなう工程のことです。
実は「日本酒」でも最終段階で「火入れ」という工程があるそうです。
酵母菌の働きを止めて、一定の味を保つようにするためと、
「火落菌」という細菌を死滅させるための工程です。
この火入れを全くおこなわないのが「生酒」という訳です。
緑茶の「火入れ」はお茶の味や香りを調整し、品質を保つ大切な工程です。
火入れによってついた香りを「火香」といいます。
お茶には「新鮮香」や「若芽香」など、お茶本来の繊細な香りがあります。
強火で火入れをおこなうと火香はつきますが、
このお茶本来の香りが抜けてしまうというデメリットがあります。
一般的には、新茶や上級の煎茶は弱火でじっくりと火入れをおこない、
普通の煎茶や番茶は強火で「火香」をつけます。
香りと甘みを引き出す絶妙のバランス、「火入れ」は茶師の腕の見せ所です。

というわけで今日のおすすめのお茶は…
【深むし煎茶 風】70g 1.080円(税込)
湯のみに注いだ途端に漂うこうばしい香り。
口に含むと感じるきりりとした苦み渋みがすっと鼻に抜けたあとに広がる甘み。
茶師の技、火入れの妙を存分に味わえる逸品です。
https://ujikoen.co.jp/item5010/

*お買い求めは宇治香園大阪心斎橋店店頭、または宇治香園のオンラインショップでどうぞ。